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オペラ歌手のギャラ( 2014年記事より: トップクラス=1万7000€) ☆ イタリアの劇場の最高額ギャラと遅配(2015.3.11) [オペラの話題]

◎月刊誌 Classic Voiceがイタリアの劇場で支払われているアーティストの最高額を公開、更にイタリア国内ほとんどの劇場で支払いの遅延が常態化しているという記事です。下記のフランス・フィガロ紙の記事にはイタリアが抜けているような感じだったので、追記します。
 Classic Voice誌の記事はネットで読めませんが、Corriere della Seraに「I cachet della lirica オペラのギャラ」という見出しで紹介されています。さらにGramilanoに英語の要約で “How much are singers, conductors and directors paid?”が掲載されています。

 簡単にまとめてみますと....
・コンサートの最高額3万€
 Barenboim, Chailly, Whun Chung, Dudamel, Gatti, Harding, Mehta, Muti, Rattle, Thielemann? とかの指揮者
 Pollini, Lang Lang, Radu Lupu, Kavakos, Sokolovとかのソリスト
・オペラ歌手の最高額、コンサート2万€、オペラ1公演1万7千€
 Bartoli, Domingo, Renée Fleming, Elina Garanca, Kaufmann, Florezとか
・演出家の最高額6万€
  Robert Carsen, Calixto Bieito, Peter Stein, Bob Wilson, Graham Vick, Damiano Michielettoとか
・ギャラの支払い
 la Scala di Milano, Santa Cecilia a Roma, la Fenice di Venezia, il Massimo di Palermo以外は要注意、いつ支払ってもらえるかわからない。
◎ブラックリストの劇場:カリアリ(3年)、ジェノヴァ(1年)、フィレンツェ(9ヶ月)、ローマ(7〜9ヶ月)、ボローニャ(60 〜90日) 手形みたいなものなのか、カリアリの場合は現金化するのに平均3年かかるそうです。どの劇場かは明かしていませんが、バスバリトンのアンドレア・コンチェッティは、数年前のドン・ジョヴァンニのギャラをまだ全額もらってないそうです。まあ、これはオペラだけでなくどこの世界にもあることですけどね。アンドレア・コンチェッティは新国でレポレッロやってます.....新国は金払いいいとおもうよ。(2015.3.13)
*  *  *  *  *  *

 オペラ歌手の契約とかギャラについての記事が、フランス・フィガロ紙(11/21付け)とイギリスのテレグラフ(11/3付け)に掲載されました。
 フィガロ紙の記事はパリ在住の助六さんが要約をコメント欄に書いて下さいました。筆者のクリスチアン・メルランは本職は大学の独文教師で、批評家としても音楽ジャーナリストとしてもフランスで一番まともな部類という印象の方だそうです。
 テレグラフのルパート・クリスチャンセンは、オペラのレビューでお馴染みの方で、ヴィットリオ・グリゴーロについては、いつもなにか一言言いたいようですが、まあ、それだけ期待して鑑賞して下さってるってことでしょう。直近のROHの「愛の妙薬」は、めずらしくほめてました。そういえば、仮面舞踏会のカレイヤを「テディー・ベア」って言ってたな......グリゴーロは「子犬」ってよく言われますけど。

・ Le Figaro:Le casse-tête d'un casting de rêve 助六さんの要約:マルセロ・アルバレス(ラダメス・ロールデビュー)のインタビュー(2010.4.23):オペラ歌手のギャラについても一言...のコメント欄

・the telegraph:How much do opera stars get paid?

フィガロの記事の要約を更にまとめてみました。

・現在のトップフィーは1公演1万7000€程度。[2009年発表の「トップ・フィー」は1万5000€。中堅クラスは、5000-1万2000ユーロ€、端役は1000€以下]

・トップフィーは劇場により差がある。最高ギャラはヴィーンとロンドンでは同額だが、ミュンヘンではそれより4000€、チューリッヒでは1万€高い、フランスの地方劇場ボルドーの最高ギャラは1万€だが、それが適用されるのは1シーズン1~2回のみ

・独オペラ劇場会議はギャラ最高額を決めており、メト、ロンドン、パリはギャラ一覧表を定期的に交換している。だいたい良識が守られているが、ミュンヘンなどはギャラをつり上げているとの噂がある。

・メト(トップはおそらく1万6000$)は、経費削減のためスター歌手にギャラ7%引き下げを依頼
  (ネトレプコが了承したという記事をちらっと見た記憶が...)

・歌手の平均ギャラとトップフィーの差は1対3
 (ということは平均ギャラは5700€くらいかな)

・源泉徴収の税率は、スイスでは15%、独では40%
 (税金と言えば、カバリエが脱税で服役か罰金かってことになっているようです....昔はパヴァロッティが有名だった...カバリエは罰金を支払うことになったようです)

・新演出の場合、歌手はリハーサルで1カ月、上演で2~3週間、計約2カ月間拘束される。一般的にリハーサルにはお金は出ないし、滞在費も支給されない。
 (ニューヨークではギャラはほとんど経費で消えちゃう...アラーニャ談)
 (40%は税金にもっていかれるし、エージェントの手数料、ホテル代、アパートメントの家賃の高騰で、手元にはほとんど残らない....M.アルバレス談)

・歌手にとってはオペラ公演よりリサイタルの方が実入りがよい。
 (これはいつも言われていることですね.....一晩3万€から20万€といわれている。リサイタルを目一杯組んでいるのはヨナス・カウフマンくらいでしょ、かつてはビリャソンがいましたが、これもオペラ歌手としての人気がないとできないわけですけど)

・ギャラは名声だけでなく、特定種の声に関する需給関係でも吊り上がる。ジークフリートを歌えるワーグナー歌手は僅かなため、無名でもギャラをつり上げるのは容易。

・フランスにはないがドイツ・オーストリアの座付歌手の場合はギャラは月給の形で支払われるが、独立ソロ歌手のギャラよりずっと低額

・スター歌手を引きつけるには、ギャラに加え、芸術的内容が重要。エージェントでなく、歌手と直接相談している。

 テレグラフによれば1960年代オペラ歌手全盛時代は1公演5万ポンドの大スターもいたそうです。あっというまの円安で、円換算しても意味がないですが、一応参考にレートを....1€=146円、1$=120円、1ポンド=187円

関連記事:
2000万円のオペラ歌手......って何のこと?
マルセロ・アルバレス(ラダメス・ロールデビュー)のインタビュー(2010.4.23):オペラ歌手のギャラについても一言...
オペラ歌手「使い捨て」? 自己責任?(朝日新聞記事に関連して2007.9.8夕)
ニューヨーク・タイムズにヴィットリオ・グリゴーロの(センセーショナルな)紹介記事(2010.10.14)

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コメント 2

Rosina

日本はそろそろ年越しですね。少し早いですが、あけましておめでとうございます。

歌手ギャラの値下げ。なんだか給与の値下げというのは先進国全体的に起こっているように思えます。オペラ業界だけでなく、マクドナルドのアルバイトから企業の部長クラス位の人達まで…。

ギャラの相場を考えると、歌手たちもよっぽどのスター以外は経済的に結構キツイのかなあ…と思いました。旅費、エージェンシー料、税金を差し引いたら、スターでもたくさん公演しないとお金持ちにはなれなさそうですね。その昔はもっと良くて、バスティアニーニなんか高いスポーツカーを乗り回し、離婚した妻に息子の養育費を払い、故郷のシエナのコントラーダ支部を資金的に支えていたらしいですが。
by Rosina (2014-12-31 22:57) 

keyaki

Rosinaさん
明けましておめでとうございます。

ちょっと前は、スペインの劇場はギャラが高いという話でしたが、今はそういうこともないでしょうね。

そういえば、グリゴーロのシャンゼリゼでのオケ伴のコンサートがピアノ伴奏のコンサートに変わって、チケットも若干安くなっていますね。来日公演は同じピアノ伴奏のプログラムで、S席 18,500円 / A席 17,000円 / B席 15,000円と3種類しかないので、巷では高過ぎる...と不評みたいです。確かに差がなさ過ぎですね。声が大きいからどの席でもよく聞こえるよってことかしら。どの程度客が入るんでしょう.....間際に割引チケットが出るかもしれません。参考までにカウフマンのピアノ伴奏リサイタルは、S席 ¥26,000/A席 ¥22,000/B席 ¥18,000/C席 14,00ですから、特別高くもないということ何ですけど。
by keyaki (2015-01-01 01:13) 

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