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グノーの「ロメオとジュリエット」:ロメオのハイC [テノールの高音]

romeo_hiC_score.jpg 今現在、メトでは、グリゴーロとダムラウの「ロメオとジュリエット」が大評判、ダムラウは初役ですが、グリゴーロはスカラ座(2011)、LA opera(2011)、ヴェローナ・ディ・アレーナ(2014)で同役を歌っていて、ワインのように、ちょうど良く熟成した頃でしょうか。

 ロメオの有名なアリア"Ah, leve-toi soleil ああ、太陽よ昇れ" は、最高音がB(シ♭)だったかな.....テノールとしては、やっぱりハイCで盛り上げたいよね.....ということで初演からかどうかは知りませんが、3幕のファイトシーンの後、ティボルトを刺殺してしまったロメオにヴェローナ追放が言い渡される場面の "mais je veux la revoir! あのひとにもう一度逢いたい!" の最後を高音のCに上げるのが慣例になっています。もちろん楽譜にはない音ですので、楽譜通りに歌うこともあります。

 グリゴーロは2011年のスカラ座とLAoperaでは、楽譜通りに歌っていますが、今回のメトではハイCに上げています。もう一人ビリャソンも上げていませんが、ビリャソンは高音は苦手ですから、当然楽譜通りなんでしょうけど。グリゴーロの場合は、どうしてでしょう....上げた方が劇的効果は有るのに.....もしかして慣習的に上げるのを知らなかったとか......

 ネット上に転がっている音源を拾ってみました。コレッリ、フランス語の勉強をいつもすっぽかしていたのに、ロメオも歌っていたんですね。ロメオと言えばアラーニャという時期もありました。高音はお手のもののフローレス。メトの観客を沸かせるグリゴーロ、Bravi!おじさん凄い。2011年のメトが選んだロメオはベチャワ、無謀運転はやめましょう。

◎ハイ、highCです
・フランコ・コレッリ:
 NOP1968年 Alain Lombard指揮iPhone/iPad用mp3
LE DUC
Tu quitteras la ville dès ce soir.
(今晩町を出るのだ)

ROMÉO
Ô désespoir ! l’exil ! l’exil !
(ああ、絶望的だ、追放か!)
Non ! je mourrai, mais je veux la revoir !
(いやだ!もう一度彼女に会いたい!)

CAPULET, LE CHŒUR
La paix ? Non ! non ! non ! non ! jamais !
(和解? 絶対にない!)

・ロベルト・アラーニャ:
 ROH1994年 Sir Charles Mackerras指揮iPhone/iPad用mp3

・ファン・ディエゴ・フローレス:
 ウィーン2016年2月26日 Marco Armiliato指揮iPhone/iPad用mp3

・ヴィットリオ・グリゴーロ:
 メト2016年12月31日 Gianandrea Noseda指揮iPad iphone用MP3

◎楽譜通りG(ソ)のままでハイCに上げていない
・ヴィットリオ・グリゴーロ:
 LAオペラ 2011年10月 ドミンゴ指揮iPad iphone用MP3

◎ハイC 完璧失敗
・ピョートル・ベチャワ:
 メト2011年3月3日 ドミンゴ指揮iPad iphone用MP3
 録音では笑えますが、実際の上演では、こういう失敗は、見たくも聞きたくもない、会場は凍り付きますよ。こういう無謀な賭けはやめて欲しい。楽譜通りでいいでしょう。

☆パヴァロッティのお言葉:
「観客は、テノールが輝かしい高音、高いドの音を出せば、他のところでさんざんひどい歌い方をしても許してくれるが、ある晩の公演で、天使のようにすばらしく歌いながら、最高音を一つ失敗して、すべてをぶちこわす可能性もあるのだ。どんな公演にしろ、高いドの音を出し損なったら、立ち直れない」

関連記事:
2011年3月3日のベチャワがハイC失敗した時の公演のレポート
 この公演のジュリエットは開幕直前までゲオルギューでした....そのへんの経緯も詳しく解説。
2011年スカラ座の公演のレポート
 バスのアレクサンドル・ヴィノグラドフの追っかけ管理人さんのレポート。ヴィノグラドフは、ローラン神父役で出演、グリゴーロ初体験の楽しいレポートです。グリゴーロならハイCに上げると期待してたのに肩すかしをくったとか.....

『テノールの高音』関連記事:
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コメント 5

ヴァランシエンヌ

keyakiさん、お久しぶりです。
懐かしい記事のリンクありがとうございました。私が観たときに映像収録してくれればいいのにな、と思っていたんですが、今回お相手もダムラウですし、グリゴーロのロメオのちゃんとした映像がやっと収録されて良かったですね!!(ハイCもキレイに決めてますし)

ところで、私のところのコメントの御返事にも書いたんですが、スカラ座のときの休憩は通常通りファイトシーンの後だったと思います。
通常と違う時ならば、記録しておくか記憶に残っているかのどちらかと思いますが、そういえば今回の指揮はノセダなんですね。
ノセダ指揮の「オネーギン」をトリノで観た時、通常と違って2幕2場で休憩が入ったのを思い出したので、もしかしたら指揮者の意図なのかも・・
(尤もあの時はホルテンの演出だったので、てっきり演出上そうなったのかと思っていたんですが・・)
by ヴァランシエンヌ (2017-01-14 21:11) 

keyaki

ヴァランシエンヌさん
ありがとうございます。
3幕1場の結婚式が終わったところで休憩というのは、劇的には理にかなっているような気がします。2場のファイトシーンまでぶっつづけでやると、疲れてベチャワのようにヘロヘロになってしまうこともありますし、すぐにジュリエットに会いに行く方が、緊迫感もあるし。
今回のローラン神父は、どうしちゃったのグダグダ...とか言われていて、プレミエでは良くなかったようですからHDの時は気合いを入れて欲しいですね。

ダムラウはお姉さんですが、舞台写真では、可愛らしく化けてますね。

by keyaki (2017-01-15 00:51) 

久美恵

ハイC比べ、非常に面白かったです。楽譜通りに歌うか慣習で歌うかは指揮者の意向による事が多いですね。一頃ムーティーが楽譜通りにした事があってテノールはすごく楽になったけどつまらなかったですね。挙げられた例ではコレッリとグリゴーロがダントツにいいですネ。私が思うにはグリゴーロはコレッリが大好きそうです。コレッリはメトで一世を風靡しましたし何といってもカッコよかったから今でも絶大なファンがいます。イタリアではその頃まで外国物は全部イタリア語でした。日本でも30年前の私の学生時代モーツァルトは日本語でやるのが普通でお願いしてやっとイタリア語にしてもらったものです。ハイCの事ブログで書いてみました♪
by 久美恵 (2017-01-17 15:46) 

keyaki

久美恵さん
>一頃ムーティーが楽譜通りにした事があってテノールはすごく楽になったけどつまらなかったですね

で、結局テノールがブーされるんですよね。被害者はクーラとか....確かアラーニャも反発してましたね。アラーニャはムーティに抜擢された恩もあったんですが。

コレッリは、本当に非の打ち所のない容姿ですよね。奥さんが群がる女性ファンを追っ払うのが大変だったようですけど。
コレッリはグリゴーロのオペラヒーローの一人なんですけど、面白いことを言っています。
「フランコ・コレッリからはヴィブラートを、マリオ・デル・モナコからは力強さを、ドミンゴからは情熱を、ジーリからは繊細さを......そして、パヴァロッティからは彼の声にある余裕を」
オペラ通の中には、ヴィブラートを目の敵にする人も多いですし、グリゴーロに対してもヴィブラートが...とか言っている人も時々見かけますが。
http://colleghi.blog.so-net.ne.jp/2008-09-05

昔といっても、最近まで、オペラはその国の言葉で歌うのが普通だったんですよね。パヴァロッティはちょっと生まれてくるのが遅かった....私、イタリア語のファウストのCD持ってますよ。
イタリア人歌手はイタリア語で、ドイツ人歌手はドイツ語で歌っている録音も残っていますよね。

テノールは、普通じゃない声を出すので、体力が必要なんですね。


by keyaki (2017-01-18 19:29) 

dezire

こんにちは、
私もオペラ『ロメオとジュリエット』を見てきましたので、大変勉強になるお話を興味深く読ませていただきました。グノーのオペラ『ロメオとジュリエット』の音楽は、演劇版と比べても、セリフが少ない分だけ中身が濃く凝集されたような重量感があり、音楽全体が情熱的でドラマティクに作られているように感じました、ロメオとジュリエットの美しいアリアや愛の2重唱が音楽の中核をなしていますが、重厚な音楽、激しい音楽、悲劇的な音楽も組み込まれていて、非常に変化に富んだ厚みのある音楽構成の完成度の高いオペラを堪能することができました。

私もバレエ『コッペリア』を観て、このバレエや音楽の魅力を整理してみました。読んでいただけると嬉しいです。ご意見・ご感想などコメントをいただけると感謝いたします。



by dezire (2017-03-10 12:53) 

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