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マジエラ氏 "口パク"告白のパヴァロッティ本★☆天声人語では.... [パヴァロッティ]

pavarotti_magiera
 パヴァロッティの"口パク"と、オーケストラの"ふり"に言及した本、レオーネ・マジエラ著"Pavarotti Visuto da vicino"が届きました。どのように書かれているのか、好奇心に勝てずにクリックして注文してしまいました。写真もいろいろありますが、マジエラ氏の著書は、いつもそうですが、声楽テクニック関係の章もありますので、オペラ歌手を目指す人にも興味深い本かもしれません。
 さて、トリノ冬季オリンピック開会式のことは、「エピローグ」という章に書かれていました。内容は、報道されている通りですが、その頃のパヴァロッティは、新しいことを覚えられないだけでなく、物忘れが激しくなり、なんの病に冒されているのかはわからなかったが、肉体的にもいつも刺すような痛みに苦しめられ、車椅子での生活を余儀なくされるような限界状況にあったということです。マジエラ氏の気持ちとしては、早く引退して欲しいという思いがあったように感じられました。

 「皆さんは、生演奏だと信じていたかもしれませんが、現実にはそうではありませんでした.....」というような書き出しで事実が明かされています。彼自身も指揮の"ふり"をした....と書いています。これで、こんどこそパヴァロッティもコンサートツアーはやめるだろうと信じたが、数日後には4月にブラジルツァーに行くから同行して欲しいと電話がかかってきて吃驚したとか......世界を渡り歩く「さよならコンサート」は、Harvey Goldsmithが仕切っていたようですが、プロモーターのゴールドスミスにとっては、どのような形であれ、トリノ冬季オリンピックの開会式の舞台にパヴァロッティを立たせることは、最高の宣伝になるということだったのでしょう。しかし、親友のために指揮の"ふり"をしなければならなかったマジエラ氏の心中はどのようなものだったんでしょう....

 今回のネット配信されたニュースは、事実だけを伝えるものでしたが、それに対する様々な反応を、様々なブログ、日記、掲示板等で見ることができて、なかなか面白かったです。
 記事では「明かされた...」となっているのが、「暴露」というかなり強烈な言葉になっていたり、「指揮者のレオーネ・マジエラ」が、「マネージャーのレオーネ・マジエラ」になっていたり....
 事実であっても、知りたくなかった...という気持ちの方が多かったようですが、それはそれで普通に正直な気持ちだと思いますが、更にそれを飛び越えて、事実を明かした奴が許せない、悪い、ナニサマだ! 自分の本を売りたいからだろう....とか....おぉ、怖! 知りたくないことを知らされて、八つ当たり、今流行りのバッシング、というところでしょうか。
 この件について、「天声人語」では、『大声で弁護はしないが....』と、次のように書かれています。→天声人語の記事 

 せっかく手に入れた本ですから、私の貧弱な知識では、いつになるかわかりませんが、また、面白いエピソードとかあれば、ご紹介したいと思います。

参考:パヴァロッティのプロモーター:ハーバート・ブレスリン(「王様と私」の著者)、Tibor Rudas、Harvey Goldsmith
※レオーネ・マジエラ関連の記事:
・パヴァロッティの"Nessun dorma" 実は.....レオーネ・マジエラ氏近著で明かす
・RRのエピソード:声楽授業(11)レオーネ・マジエラ
・RRのエピソード:声楽授業(12)ボローニャ音楽院-1-
・ローマの音楽公園Sala Sinopoliでチャリティーコンサート
・ビルバオ(1)マジエラ氏、モデナから車でビルバオへ
・ビルバオ(2)カップチッリとライモンディ

※パヴァロッティ関連記事:
・パヴァロッティを偲んで:ヴェルディ《エルナーニ》3幕☆★VideoClip&MP3
・パヴァロッティを偲んで:ヴェルディ《エルナーニ》2幕☆★VideoClip
・パヴァロッティを偲んで:ヴェルディ《エルナーニ》1幕☆★VideoClip

・パヴァロッティの足跡:王様になる前まで
・訃報 ルチアーノ・パヴァロッティ(1935.10.12〜 2007.9.6)
・「パヴァロッティ退院」略歴、ライモンディとの共演等まとめ
・あのジョーン・サザーランドをかつぐ.... 1971年リゴレットVidoClip
・ミルンズ、サザランド、パヴァロッティ、RR《リゴレット》
・《天声人語》:パヴァロッティ
・デタァ!パヴァちゃん&マジエラさん《冬季オリンピック開幕式》
・RRと指揮者(12-a)クラウディオ・アバド"Verdi Requiem"

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なつ

今回の口パク"暴露"に接した時の私の感想は「いまさら騒ぐほどのことでも…」でした。
確かパヴァロッティは「パヴァロッティ・アンド・フレンズ」でしたっけ?毎年開催していたチャリティ・コンサートでも、口パクやってたはず。
何よりも、あのトリノでのパヴァロッティの元気のない、というか沈んでいたように見えたのを思い出すと…。
トリノ開会式を見た時に自分が書いたBlogを読み返したら、keyakiさんがマジエラさんについての記事をTBしてくださっていましたね。
現サルコジ夫人もイタリア国旗捧げ持って登場していたなあとも思い出しました。

ところで、上の音声ファイル吃驚しました~
by なつ (2008-04-16 22:32) 

euridice

>上の音声ファイル
流行っていましたね・・なつかしいわぁ^^+

by euridice (2008-04-16 22:51) 

keyaki

なつさん、euridiceさん
いやぁ、なんか「知りたくなかったぁ」という反応には、菅原洋一の「知りたくないの」が、鼻歌で出ちゃう世代なんですよ。
なつさんは、ご存じないかな?

なつさん
>パヴァロッティの元気のない、というか沈んでいたように見えたのを思い出すと…
あそこに立っているだけでも相当つらかったんではないですか。多分後には支柱があったと思います。
しかし、いつまでも「さよなら公演」なんて名目で、世界の田舎をどさ回りしていた理由が、お金だったとしたら、気の毒としか言いようがないです。

>「いまさら騒ぐほどのことでも…」
そう、そう、時が来れば明かしていいことでしょう。それに真実は、いずれ明らかにされるものなんですよね。
「パヴァロッティ・アンド・フレンズ」の場合は、ポップスを歌うことに慣れてなくて、覚えられなかったんで、やっちゃったってことだったと思います。二番目の奥さんの趣味で、ポップスを歌ったようですけど....これも気の毒としかいいようがないですね。
しかし、私が、時々覗いているイタリアのオペラフォーラムでは、この件のこと、全く話題になってないんですよ。

by keyaki (2008-04-17 01:30) 

なつ

>なつさんは、ご存じないかな?

知ってます(笑)小学校の遠足のバスの中で、この曲を合唱した記憶すらあります。
でも、てっきりパヴァロッティの声が流れると思っていたので…後半はプレスリーですよね?

>「パヴァロッティ・アンド・フレンズ」の場合は、ポップスを歌うことに慣れてなくて、覚えられなかったんで、やっちゃったってことだったと思います。

成程…フレンズの時は、そういう事情があったのですね。
たまたまイタリア旅行中にフレンズとぶつかった時があり、「これはちょうどよい!」とホテルのテレビで見始めたのですが、パヴァロッティがラップ歌手と共演するところで、馬鹿々々しくなり、テレビを消してしまいました。
あの時のパヴァもつまらなそう、というよりつらそうに歌っていました…。
by なつ (2008-04-17 22:21) 

keyaki

なつさん
ちょっと意表をつく趣向で遊んでみました。
そう、あたりです。プレスリーです。

一番最初の、1992年の《パヴァロッティ&フレンズ》は、ルーチョ・ダッラとか出ているのは、LDを買いましたが、パヴァロッティは、ダッラと一緒にちょこっとカルーソーを歌ったくらいだったんですよね。
by keyaki (2008-04-18 00:09) 

ふくきち

マリア・カラスは《椿姫》をテレビ用に録画する話があったのですが、
ルキーノ・ヴィスコンティが猛烈に反対して、
実現しなかったらしいです。
「口パクだから」というのも、反対の理由の一つ。
オペラ映画で口パクするのは今では普通のことですが、
当時は抵抗のある人もいたんですね。

1954年6月19日付け
ヴィスコンティより、カラスの夫メネギーニ宛ての手紙(抜粋)
「…つまり、先に歌って録音しておいて、
そのあと歌手たちは(もちろんマリアも!)
オペラ全幕、口を動かすだけでもう一度やるってわけで。
半端な芸人ならいざ知らず、
こんなものは芸術家がやることじゃない…」
「…ガラス鉢の金魚よろしく口をパクパクするヴィオレッタを強いられて、
こんな野蛮で危険なやられ方のを私のより先に
テレビでみせてしまうつもりなんだろうか?…」
(『カラスbyカラス』音楽之友社より)

私はかなりのパヴァロッティ・ファンだったのですが、
トリノの口パクは、許してあげます。
by ふくきち (2008-04-18 01:32) 

keyaki

ふくきちさん
ヴィスコンティの時代はいざしらず、その後のオペラ映画の場合、口パクというと、かなり語弊があるとおもいます。口をパクパクではなくて、実際にあらかじめ録音した歌に合わせてちゃんと歌っているんですから。
ですから、トスカのジャコ監督は、高音を出す時に、どうしてもあの美しいゲオルギューの顔が、美しくないというので、バックに歌を流して、喋らせちゃったんですよね。

ライモンディに言わせれば、録音してあまり時間が経過すると、同じ気持ちで歌う事が難しくて、合わせるのが困難になるそうです。
ボリス・ゴドノフの時は、監督がなかなか決まらなくて、録音後2年を経過していたので、合わせるのに、何度もやり直しで、非常に大変だったそうです。

ドン・ジョヴァンニの時は、6月録音9月から撮影だったようです。ジョセフ・ロージー監督は、撮影現場で歌手に歌わせたがったそうですが、それは、オーケストラを何日もロケ現場に連れてくるのは不可能ということであきらめてもらったそうです。ロージー監督は次のように語っています。
「ぴつたりの加減に力を込めて歌ってもらって適度な筋肉の緊張を捉え、そうして本物のステージのときほどにはあまり目障りなものにはせず、しかもちゃんと歌っていることを観客に分からせることだった。出演者はみな実力者揃いで幸運だった。彼らが本当に歌っていないように見えるところはないと思うし、実際いつも声を出して歌っていた。ただそれがステージでの本番のレベルでないだけだ。レコーディングですでに完成されたものと同じ歌唱力を、撮影時に求める必要はない。レチタティーヴォのパートはすべて生で同時録音している。。。。オペラ歌手というのは、いかに人より早口でレチタティーヴォがこなせるかを誇りにすることがしばしばあって、どの音符もどの音節も完壁に発声するにはするが、聴くほうにすれば何を言っているのか分からなくなるのだ。同時録音した最大の理由というのは、レチタティーヴォでは、プレイバックした音楽に満足できるだけの正確さで口の動きを合わせることが、誰にもできないということだ。彼らの実力不足というのではなくて、とにかくスピードが速すぎて難しいのだ。」

ということで、パヴァロッティも金魚のようにパクパクしていたわけではなく、ちゃんと歌っていたということですね。ただ、私たちが聞いたのは、数日前に録音したものというだけのことでしょう。

by keyaki (2008-04-18 02:31) 

ふくきち

いえ、ヴィスコンティが邪魔しなかったら
カラスの椿姫の映像が残っていたかもしれないのに…と、
私もヴィスコンティを恨んでいるんです。
映像なら口パクでも全然かまわないと思いますよ。
ヴィスコンティの頃とは時代が変わりました。
by ふくきち (2008-04-19 00:56) 

keyaki

ふくきちさん
ルキーノ・ヴィスコンティって、ゼッフィレッリの自伝を読むと、かなり意地悪な感じですものね。なんか、その手紙も意地悪丸出しじゃないですか。マリア・カラスをテレビに出したくなかっただけ、なんかいいがかりっぽいですね。
ヴィスコンティだって、映画ではやってますよね。

by keyaki (2008-04-19 01:26) 

gon

本当は歌えなくなったら「おしまい」なんでしょうが、彼の場合はちょっと特殊ですよね。一般人としてはまさに「知りたくないの」ですがw
by gon (2008-04-19 22:51) 

keyaki

gonさん、パヴァロッティの人気は、確かに特殊ですよね。
by keyaki (2008-04-20 02:42) 

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