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新国《魔弾の射手》鑑賞:2008.4.18 [オペラ生舞台鑑賞記録]

■新国の会場で無料配布される「ステージノート」の仕様が変わりました。カラーになったのはいいのですが、活字が小さくなって、ちょっと不便。今までは、なんとか読めていましたが、全く読めません。新聞は活字を大きくする傾向にあるのに、まったくもう〜です。オペラ関係のところだけPDFでご覧いただけます。(2008.4.21追記)
アガーテ&マックス.jpg 新国の《魔弾の射手》に行ってきました。地域によってはかなりの強風を伴う雨でしたが、ほぼ満席、盛況でした。このところ、ほんと、客の入りがいいです。
 《魔弾の射手》は、最もドイツ的なオペラと言われているそうですが、私の世代では、序曲の初っ端のホルンの奏でる有名な美しくゆったりした主題は、「♪秋の夜半の み空澄みて〜」という歌詞で歌いました。アガーテの歓喜の歌も、介添えの少女たちの歌う「花嫁の冠を編みましょう」もよく聞くメロディーですし、「狩人の合唱」は、子供の頃習っていたヴァイオリンで弾いた記憶が....とまあ、よく知っている旋律満載で、しかもお話は、単純明快、とても楽しめました。

 開演時間になっても指揮者が登場しないので、どうしたのかと思っていたら、突然舞台からうめき声....舞台上には隠者様の小屋、悪夢にうなされ目覚めた隠者のもとにアガーテが食事を運んで来て、胸騒ぎを訴えます。隠者はお守りにと白い薔薇をアガーテに渡します....この寸劇の後、そのまま序曲がはじまりました。演出としては、あとは伝統的といえるものだとおもいます。
 狼谷の魔弾を作る場面も、多分ト書き通り、カスパールが魔弾を一つ、二つと数えながら鋳造して、「三つめ」というと嵐が起こり、「4つめ」で、4つの火の車が現れ、「五つ」と数えると魔王の軍勢が通り抜け、「六つ」と数えると地面から炎があがり...というよう。魔王の軍勢は、巨大な蜘蛛や蜥蜴の化け物でした。
 演出は、「さまよえるオランダ人」の時と同じマティアス・フォン・シュテークマンでしたが、その時も、衣裳がちょっと変わっていましたが、今回も、衣裳にそれぞれシンボルのようなものがくっついていました。肩に鹿の角がついていたり、木の枝がついていたり、というように。(今、気づきましたが、やっぱり衣裳が同じデザイナーでした)
 最後は、領主は魔弾を使ったマックスの永久追放を命じますが、そこに隠者が登場して、寛大な計らいをと、領主にとりなし、領主もそれを受け入れ、めでたしめでたし、神に感謝、感謝の大合唱。かなり説教くさくてしつこすぎの大団円ですが、最後の最後は、舞台の下手に、清々しい顔をした隠者様、上手には悪魔ザミエル、ザミエルは、今回は負けましたが、悔しそうな顔はしていません。なにやらほくそ笑んでいます。かえって怖い....
 アガーテとエンヒェンは、それぞれ見た目もピッタリで歌もよかったです。マックスは、どうなんだろう.....臆病で気が弱い感じはしますけど、それを意図した歌唱なのかは疑問です。ガスパールは、ふてくされたかんじといい、なにしろあの顔がピッタリだし、よかったです。合唱はいつも通り最高。新国の最新設備を駆使した、たいくつさせない演出でした。(1階4列で鑑賞)

主要キャストのひとくちコメントと略歴:『』内略歴は、新国プロフィールから
★マックス:アルフォンス・エーベルツ Alfons Eberz
バイロイトでパルジファル、ベルリンやドレスデンでジークフリートを歌っているようですが、ドイツもののテノールって、これでいいんでしたか、よくわからん。どんな歌唱だったかというと、音程が不安定というよりは、声がまっすぐ伸びないで、途中でひっかかるかんじ、風邪が直りかけのとき、無理して大きな声で歌うとああいうような感じにもなるかなぁ....はじめて聞いた歌手なので、よくわかりませんけど。声は大きかったです。
ドイツ生まれ。近年では、ワーグナー作品を中心にザクセン州立歌劇場(ドレスデン・ゼンパー・オペラ)を中心に活躍。主なレパートリーは、「ラインの黄金」ローゲ、「ワルキューレ」ジークムント、「ジークフリート」タイトルロール、「神々の黄昏」ジークフリート、「トリスタンとイゾルデ」トリスタン、「パルジファル」タイトルロール、「さまよえるオランダ人」エリック、「フィデリオ」フロレスタン等である。今までに出演した主な劇場は、バイロイト祝祭劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、ハノーヴァー州立歌劇場等が挙げられる。新国立劇場初登場。』

★アガーテ:エディット・ハッラー Edith Haller
昨年末には、カールスルーエで、3月9日にはミュンヘンでもアガーテを歌っています。安定していて、心地よい歌声でした。それに、舞台映えのする容姿、美人です。池内淳子に似てるとおもいませんか。特に口元がそっくり。(写真)
『幅広いレパートリーを持つ若手ソプラノ。ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院に学ぶ。1999年と2001年にはミュンヘン声楽学校マイスターコースに参加、03年にはフィリニャー・マリオ・ランツァ・イタリア声楽コンクールで第1位を獲得。05年に、バーデン州立歌劇場カールスルーエに「さまよえるオランダ人」ゼンタでデビュー。その後も同劇場のアンサンブルメンバーとして「魔弾の射手」アガーテ、「ワルキューレ」ジークリンデ、「イドメネオ」エレットラ等に出演。またその他の主なレパートリーとして「フィガロの結婚」伯爵夫人、「ナブッコ」アンナ、「オテロ」デズデーモナ、「ホフマン物語」ジュリエッタ等が挙げられる。06年には、バイロイト祝祭劇場に「神々の黄昏」グートルーネでデビューを果たし、07年も同演目同役で出演している。新国立劇場初登場。』

★カスパール:ビャーニ・トール・クリスティンソン Bjarni Thor Kristinsson
titurel.jpg1967年生まれ。アイスランド出身の歌手ってお初かな。アイスランドってアイスランド人なのかしら。それにしても、エージェントのポートレートがそのまんまガスパールなんですけど。ぜひ、ポートレートをクリックして下さいね。はじめは吃驚しますが、じっと見ていると心がなごみますよ。
TVかDVDで見た《パルジファル》の先王ティトゥレルは、この歌手さんでした。これを見たとき、わぁぁ!強烈、この歌手の素顔が見たい....と思ったんですけど......念願がかないました。→
『アイスランド生まれ。1997年から2003年までウィーン・フォルクス・オーパーの専属歌手として活躍。その後、幅広いレパートリーでヨーロッパを中心に活躍。主なレパートリーとして、「後宮からの誘拐」オスミン、「ばらの騎士」オックス男爵、「フィデリオ」ロッコ、「ドン・カルロ」宗教裁判長、「パルジファル」ティトゥレル、「ラインの黄金」ヴォータン、ファフナー、「フィガロの結婚」バルトロ、「影のない女」使者、等である。また、今までに出演した主な歌劇場は、ベルリン州立劇場、ハンブルク州立劇場、パリ・オペラ座等が挙げられる。新国立劇場初登場。』

エンヒェン:ユリア・バウアー Julia Bauer
お転婆で愉快なエンヒェンを好演。ホームページ→http://www.julia-bauer.com/
『ベルリンで声楽の研鑽を積みドイツ・コトブス州立歌劇場を中心に活躍。2003/2004のシーズンよりフリーとなり今後の活躍が期待される新進気鋭のソプラノ。主なレパートリーとして、「魔弾の射手」エンヒェン、「リゴレット」ジルダ、「仮面舞踏会」オスカル、「ナクソス島のアリアドネ」ツェルビネッタ、「ファウスト」ジーベル、「セビリアの理髪師」ベルタ等が挙げられる。今までに出演した主な劇場は、ザクセン州立歌劇場(ドレスデン・ゼンパー・オペラ)、ハノーヴァー州立歌劇場、ウィーン・フォルクス・オーパー等があり、近年では、アメリカ、カナダを中心に出演している。新国立劇場初登場。』
魔弾の射手 [New Production]/全3幕【ドイツ語上演/字幕付】
Carl Maria von Weber(1786〜1826):Der Freischütz 
エンヒェン&アガーテ.jpg
【芸術監督】若杉 弘
【指 揮】ダン・エッティンガー
【演 出】マティアス・フォン・シュテークマン
【美 術】堀尾 幸男
【衣 裳】ひびの こづえ
【照 明】沢田 祐二
【舞台監督】村田 健輔

【合唱指揮】三澤 洋史
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

キャスト
【オットカール侯爵】大島 幾雄
【クーノー】平野 忠彦
【アガーテ】エディット・ハッラー
【エンヒェン】ユリア・バウアー (発表当初はリディア・トイシャー)
【カスパール】ビャーニ・トール・クリスティンソン
【マックス】アルフォンス・エーベルツ
【隠者】妻屋 秀和
【キリアン】山下 浩司
【花嫁に付き添う四人の乙女】鈴木愛美、田島千愛、高橋絵理、中村真紀       
【ザミエル】池田 直樹

【指 揮】ダン・エッティンガー Dan Ettinger
ホームページに書いてありますが、バリトン歌手から指揮者になったんですね。
『2003年「ファルスタッフ」、05年「コジ・ファン・トゥッテ」、06年「イドメネオ」、07年「ファルスタッフ」に続いて、5回目の新国立劇場登場となる。
ニュー・イスラエル・オペラ常任指揮者を務めた後、2003/2004シーズンからベルリン州立歌劇場首席指揮者兼音楽監督助手に就任している。これまでに「フィガロの結婚」、「ドン・ジョヴァンニ」、「トスカ」、「トゥーランドット」、「愛の妙薬」、「コジ・ファン・トゥッテ」、「タンホイザー」、「ラ・ボエーム」、「魔笛」、「椿姫」、「アイーダ」などを指揮。ロサンゼルス・オペラ「アイーダ」で米国デビューを果たし、06年1月に同劇場で「蝶々夫人」を指揮している。現在ドイツを中心に世界中で活躍。今後が最も期待される指揮者の一人である。』

【演 出】マティアス・フォン・シュテークマン Matthias von Stegmann
『2004年KIDSOPERA「ジークフリートの冒険 指輪をとりもどせ!」、07年「さまよえるオランダ人」に続いて、演出家としては3回目の新国立劇場登場となる。
ミュンヘン生まれ。7歳から声優としての活動開始。テレビや映画の翻訳、台本、演出家として活動の場を広げる。1991年よりバイロイト音楽祭に参加。それ以降、第一演出助手を務める。02年英国ロイヤルオペラハウス「ヴォツェック」、04年「ニーベルングの指環」(共にK.ウォーナー演出)でも演出補として参加。03年メトロポリタン歌劇場「後宮からの逃走」では太守セリム役で出演している。新国立劇場には、開場記念公演「ローエングリン」でヴォルフガング・ワーグナーの演出助手を務めて以来、「アラベッラ」、「魔笛」、「サロメ」、「ドン・ジョヴァンニ」、「フィガロの結婚」、「ニーベルングの指環」に参加。2007年の秋にウィーン国立歌劇場で公演された「ジークフリートの冒険 指環をとりもどせ!」で記録的な大成功を収めた事は特筆に価する。』

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コメント 13

Pilgrim

>風邪が直りかけのとき、無理して大きな声で歌うと
>ああいうような感じにもなるかなぁ....

本当にあんな声になるのかどうかは知りませんが、
例えとしては良く分かります。
by Pilgrim (2008-04-20 00:55) 

keyaki

Pilgrim さん、TBありがとうございます。
アルフォンス・エーベルツは、年齢不詳ですが、若いというかんじはしませんでしたから、もしかしたら年齢的なものかしら。

by keyaki (2008-04-20 03:14) 

euridice

TBありがとうございます。私のほうからもしましたので、よろしくお願いします。

>最後の最後は、舞台の左端に、清々しい顔をした隠者様、右端には悪魔ザミエル、
なかなか気のきいた落ちでしたね^^+

>声は大きかった
いわゆるヘルデンテノール(=ワーグナーテノール)って、
今やこれが必要十分条件になってるんじゃないかと・・

>TVかDVDで見た《パルジファル》の先王ティトゥレル
懐かしいミイラ男!へぇ、そうでしたか。
歌手の名前、全然記憶していませんでした。
バーデンバーデンの映像でしたね。
記事がありますから、ついでにTBします。
by euridice (2008-04-20 07:47) 

prinz.orlofsky

先日はお世話になりました。prinz.orlofskyです。
う~ん・・・18日の新国では、keyakiさんと、かなりの接近遭遇していたのですね?!私の席は1階6列19番でしたから・・・。ウフッ(^_-)-☆    マックス役のアルフォンス・エーベンツはガッカリでしたね (>_<)
波打ったような歌唱でした。ちなみに彼の奥さんは日本人だそうです。本人から聞きました。
アガーテ役のエディット・ハッラーはよかったと思いますが、エンヒェン役のユリア・バウアーは、なかなかの演技派ですが、歌がもう一歩・・・・。
今回の目玉は、やはり、マティアス・フォン・シュテークマンの演出の面白さと、エッティンガーの指揮そして合唱だったでしょう!!!
15日には、東京のオペラの森のエフゲニー・オネーギンをみてきました。
話題のリヒターの演出でしたが、ハッキリ言って面白くない!!!(なぜおもしろくないかは、長くなるのでやめておきます。)新国の魔弾の射手の方がずっ~と面白いです。


by prinz.orlofsky (2008-04-20 11:50) 

つるりんこ

ビャーニ・トール・クリスティンソンのような強烈なキャラクターが日本にもたくさんいて欲しいですね!
by つるりんこ (2008-04-20 18:46) 

gon

gonも今日観てきました。
ハッラーよかった!!!まさに心地よい歌声でしたよねー。
by gon (2008-04-21 00:33) 

keyaki

euridiceさん、そうあのミイラ男なんですよ。オペラの世界は狭い。
TBありがとうございます。
by keyaki (2008-04-21 01:05) 

keyaki

prinz.orlofskyさん
私の席は34番でしたので、ちょっと遠いですね。

>ちなみに彼の奥さんは日本人だそうです。本人から聞きました。
えぇ、そうなんですか。奥さんのお里帰りもかねて、とかなんとかで、度々来られても困るな....

by keyaki (2008-04-21 01:18) 

keyaki

つるりんこさん
>ビャーニ・トール・クリスティンソン
バス歌手は、優男より、こういう個性的な風貌のほうが、いいかもですね。
by keyaki (2008-04-21 01:42) 

keyaki

gonさん
ハッラーは、また来てほしいですね。
by keyaki (2008-04-21 01:46) 

prinz.orlofsky

ハッラーさんに次に日本で歌う予定は・・・??と聞いたら、
今の所は無いそうです。残念・・・。また、日本で歌いたいと
言っていましたヨ (#^.^#)
by prinz.orlofsky (2008-04-21 19:34) 

サンフランシスコ人

「子供の頃習っていたヴァイオリンで弾いた記憶が」

サンフランシスコ歌劇場管弦楽団に日本人の楽員がいます。

http://www.bayspo.com/kurasu/kurasu9xx/kurasu917/917.html
by サンフランシスコ人 (2008-04-27 06:00) 

keyaki

サンフランシスコ人さん
私の場合は、大人用のバイオリンになる前に、やめました。親の都合で習ったり、やめたりってことですね。

by keyaki (2008-04-27 11:46) 

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