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新国《トーキョーリング・第1夜 ワルキューレ》2009.4.15 [オペラ生舞台鑑賞記録]

新国サイトにリンク 2001年からはじまったキース・ウォーナー演出「トーキョー・リング」は、2004年に完結して、今年から第2周目がじまりました。《ワルキューレ》は2002年が初演でしたが、私も見に行きました。キャストについては、いつもはヴォータン役のドナルド・マッキンタイアがフンディングというのも興味津々でしたし、ロバート・ディーン・スミスがジークムントで、超ながぁ〜い「ヴェルゼ〜 ヴェルゼ〜」には、私が窒息しそうになった.....というような思い出があります。それに、こんな演出見たことない!というものでしたので、こういうオーソドックでないものの再演はどうかな....面白みは半減するのかな....と思いつつの鑑賞でした。(1階4列で鑑賞)

 幕間の45分と35分の休憩をはさんでの5時間25分(正味4時間5分)の長丁場でしたが、面白くて、感動もしました。けっこう、忘れている場面があって、フンディングがあの小さな平屋の屋根を破って、バーンと出てきたのには、吃驚しました。ワルキューレたちの救命救急ICUの場面は、やっぱり面白い!し、ICUが舞台後方に引いて、前に巨大な木馬がせり上がってくる場面は、わぁ〜...

 歌手も観客もスタミナ勝負の楽劇ですが、ソリストさんたち、女声陣は皆さんそれぞれ個性的でよかったです。特にジークリンデのマルティナ・セラフィンは最近売り出し中のソプラノだそうですが、評判通り、歌唱演技それに存在感もあって素晴らしかった....(来シーズン、ウィーンでR.ライモンディとトスカで共演予定、カヴァラドッシはクーラ、見た目も大型トスカになりそう....)。ワルキューレのお姉さんたちは、海外組のソリストさんたちに比べると、ちょっと聞きおとりがしましたが、ストレッチャーを押しながら、あれだけ動き回っての歌唱ですから、大健闘といえるでしょう。
 フンディングのクルト・リドル(1947.10.08-)は、ちょっと声に揺れが感じられましたが、さすがベテラン。 ジークムントは、現在、第一人者と言えるヘルデン・テノールがいるのかどうか....いないんでしょうね....エンドリック・ヴォトリッヒは、物足りなさはあるものの健闘していたと思います。「ヴェルゼ〜 ヴェルゼ〜」は、もうちょっとアピールしてほしかった........グリゴーロのように美しいとは言い難いが、筋骨隆々ガテン系の体格で、タンクトップがお似合いでした。ちなみにプレミエのときのスミス君は、普通の半袖のシャツを着てました。ワルハラに連れて来られた英雄たちの死体が、皆さんほっそりしすぎで痛々しかった....もうちょっと筋肉のあるモデルを選んでほしかった。3幕の父ヴォータンと娘ブリュンヒルデの対話は、たいくつすることが多いのですが、ユッカ・ラジライネンとユディット・ネーメットの迫真の歌唱ともいえるもので、感動しました。

 メトロポリタン歌劇場定番のオットー・シェンクの伝統的舞台演出も今シーズンで最後だそうですが、3年前のNYメト引越し公演の感想に、「.......舞台は、NHKホールのせいかもしれませんが安っぽい感じで、演出はたいくつでした。オーソドックスでも、もうちょっと工夫というか仕掛けがあってもいいのではないかな、背景付きリサイタルのおもむきです。トーキョーリング病?かしら。....」なんて書いています。スター級の歌手を揃えたというだけの公演で、トーキョーリングのような迫力と盛り上がりに欠けてました。

 トーキョーリングは、今シーズンは、これで中断して来シーズンに持ち越しですが、できれば、5月、6月と勢いに乗って、上演して欲しかったです。

小耳にはさんだトイレでの会話:
双子同士が結婚するってとんでもない話なのよねぇ.....というフリッカのような中年女性がいました.....

関連記事:新国《トーキョーリング・ラインの黄金》2009.3.13のコメントに助六さんの《ワルキューレ》の感想があります。

楽劇「ニーべルングの指環」《ワルキューレ》 【作曲/台本】リヒャルト・ワーグナー
【指 揮】ダン・エッティンガー
 初演スタッフ:
  【演 出】キース・ウォーナー
  【装置・衣裳】デヴィッド・フィールディング     
  【照 明】ヴォルフガング・ゲッベル
【芸術監督】若杉 弘

キャスト
【ジークムント】エンドリック・ヴォトリッヒ
【フンディング】クルト・リドル
【ジークリンデ】マルティーナ・セラフィン
【ヴォータン】ユッカ・ラジライネン
【ブリュンヒルデ】ユディット・ネーメット
【フリッカ】エレナ・ツィトコーワ
【ゲルヒルデ】高橋知子
【オルトリンデ】増田のり子
【ワルトラウテ】大林智子
【シュヴェルトライテ】三輪陽子
【ヘルムヴィーゲ】平井香織
【ジークルーネ】増田弥生
【グリムゲルデ】清水華澄
【ロスヴァイセ】山下牧子
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団



新国HP掲載の主要キャストのプロフィールを転載
【指揮】ダン・エッティンガー   Conductor : Dan Ettinger
2003年と07年『ファルスタッフ』、05年『コジ・ファン・トゥッテ』、06年『イドメネオ』08年『魔弾の射手』09年『ラインの黄金』に続いて、7回目の新国立劇場登場。
ニュー・イスラエル・オペラ常任指揮者を務めた後、2003/2004シーズンからベルリン州立歌劇場首席指揮者兼音楽監督助手に就任している。これまでに『フィガロの結婚』『ドン・ジョヴァンニ』『トスカ』『トゥーランドット』『愛の妙薬』『コジ・ファン・トゥッテ』『タンホイザー』『ラ・ボエーム』などを指揮。ロサンゼルス・オペラ『アイーダ』で米国デビューを果たし、06年1月に同劇場で『蝶々夫人』を指揮している。06年11月には、ベルリン州立歌劇場にて『魔笛』『椿姫』『アイーダ』などを指揮している。


ジークムント:エンドリック・ヴォトリッヒ  Siegmund : Endrik Wottrich
2007 年『さまよえるオランダ人』エリックに続き新国立劇場2回目の登場。ヴュルツブルクでヴァイオリンを学んだ後、奨学金を得てニューヨークのジュリアード音楽院で学ぶ。ベルリン州立歌劇場を皮切りに、アムステルダム、ウィーン、ドレスデン、ミラノ、ロンドンなど各地で活躍。レパートリーとしては、ワーグナー作品のほか、『魔笛』タミーノ、『椿姫』アルフレード、『フィデリオ』フロレスタン、ヤッキーノ、『ドン・カルロ』タイトルロールなどが挙げられる。近年は『ワルキューレ』ジークムントを主要なレパートリーとしており、バイロイト音楽祭をはじめ、ヨーロッパ各地で出演している事は特筆に価する。

ジークリンデ:マルティーナ・セラフィン  Sieglinde:Martina Serafin
ウィーン生まれ。ウィーン市立音楽院で学ぶ。グラーツ歌劇場のアンサンブル・メンバーとして『ラ・ボエーム』ミミ、『ドン・ジョヴァンニ』ドンナ・エルヴィーラ、『コジ・ファン・トゥッテ』フィオルディリージなどを歌う。その後ボローニャ歌劇場、ハンブルク州立歌劇場、ウィーン国立歌劇場、ザクセン州立歌劇場(ドレスデン・ゼンパー・オペラ)、ライプツィヒ歌劇場、サンフランシスコ・オペラなど活躍の場を広げ、『フィガロの結婚』伯爵夫人、『ばらの騎士』元帥夫人、『ローエングリン』エルザ、『タンホイザー』エリーザベトを歌っている。新国立劇場初登場。
メモ:父は、オペレッタ歌手でメルビッシュ音楽祭の総監督でもあるハラルト・セラフィン。母は、元フォルクスオパーの女王のミルヤーナ・イーロッシュ。

ブリュンヒルデ:ユディット・ネーメット  Brünnhilde:Judit Németh
ハンガリーのミスコルチ生まれ。ブダペスト音楽院で声楽を学ぶ。これまでにバイロイト音楽祭に数多く出演しており、『神々の黄昏』ヴァルトラウテと第三のノルン、『ローエングリン』オルトルート、『タンホイザー』ヴェーヌスなどを歌っている。ほかにも『パルジファル』クンドリー、『ワルキューレ』ブリュンヒルデ、『ラインの黄金』フリッカ、『青ひげ公の城』ユディットで、リスボン、ブダペスト、ミラノなどに出演。新国立劇場初登場。

★ヴォータン:ユッカ・ラジライネン  Wotan :Jukka Rasilainen
2003年『ジークフリート』さすらい人に続き、新国立劇場2回目の登場。フィンランド生まれ。ローマとヘルシンキのシベリウス・アカデミーに学ぶ。これまでにウィーン国立歌劇場、ベルリン州立歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、ザクセン州立歌劇場(ドレスデン・ゼンパー・オペラ)、英国ロイヤルオペラ、ローマ歌劇場などで歌っている。『さまよえるオランダ人』タイトルロール、『トリスタンとイゾルデ』クルヴェナール、『ラインの黄金』『ワルキューレ』ヴォータン、『ジークフリート』さすらい人、『ローエングリン』テルラムントなどワーグナーを得意とし、『パルジファル』ではプラシド・ドミンゴと共演し、05年には『さまよえるオランダ人』でバイロイト音楽祭にデビューしている。ほかにも『トスカ』スカルピア、『フィガロの結婚』フィガロ、『オテロ』イアーゴなど幅広いレパートリーを誇る。

★フリッカ:エレナ・ツィトコーワ  Fricka : Elena Zhidkova
2003 年『フィガロの結婚』ケルビーノ、04年『カルメン』タイトルロール、06年『コジ・ファン・トゥッテ』ドラベッラ、『こうもり』オルロフスキー公爵07年『ばらの騎士』オクタヴィアン、新国立劇場開場10周年記念ガラコンサートと、新国立劇場には多数出演している。
ロシア生まれ。1996年にハンブルク州立歌劇場の国際オペラ・スタジオのメンバーになり、1年後にゲッツ・フリードリヒに見出され、ベルリン・ドイツ・オペラのアンサンブル・メンバーとなる。以来、フランクフルト歌劇場、パリ・シャトレ座、ライプツィヒ歌劇場、アムステルダム歌劇場など各地に招かれるようになる。01年にバイロイト音楽祭にシュヴェルトライテでデビュー。02年、03年と続けて出演し、シュヴェルトライテとロスヒルデを歌う。「カーチャ・カバノヴァー」ヴァルヴァラでミラノ・スカラ座にデビュー。『トリスタンとイゾルデ』ブランゲーネ、『タンホイザー』ヴェーヌス、『エウゲニ・オネーギン』オルガ、『リゴレット』マッダレーナ、『コジ・ファン・トゥッテ』ドラベッラ、『ばらの騎士』オクタヴィアン、『カルメン』『アルジェのイタリア女』など幅広いレパートリーを誇る。

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コメント 7

euridice

TBありがとうございます。
>ワルキューレのお姉さんたちは、・・
そう、一瞬やっぱり声量が違う・・と感じましたね。でも、
音楽に合った、あの激しい動きでそんなことは忘れました^^++

>もうちょっとアピールしてほしかった
ヴェルゼ〜〜以外にもアピールするところは一杯あるのに、
はじめから終わりまで同じでしたよ〜〜もう!
by euridice (2009-04-18 18:18) 

Pilgrim

 こんばんは、「オペラの夜」です。

 ライモンディのスカルピアに、クーラのカヴァラドッシで、トスカのタイトル・ロールですか…。マルティナ・セラフィンって、大物なんですねぇ。
by Pilgrim (2009-04-18 20:06) 

サンフランシスコ人

サンフランシスコでは、来年《ワルキューレ》を上演します。

http://sfopera.com/o/292.asp

by サンフランシスコ人 (2009-04-19 02:43) 

keyaki

euridiceさん
>はじめから終わりまで同じでしたよ〜〜もう!
確かに...単調で一瞬寝てたかも....

by keyaki (2009-04-20 13:34) 

keyaki

Pilgrimさん
TBありがとうございます。
>マルティナ・セラフィン
トスカも似合いそうですね。
ライモンディもキャンセルが多いので、実現するかどうか....
by keyaki (2009-04-20 13:49) 

keyaki

サンフランシスコ人さん
楽しみですね。

by keyaki (2009-04-20 13:52) 

サンフランシスコ人

「メトロポリタン歌劇場....迫力と盛り上がりに欠けてました。」

フリッツ・ライナーの指揮で、サンフランシスコ歌劇場の《ワルキューレ》(抜粋)のCDを推薦します。

by サンフランシスコ人 (2009-04-21 03:12) 

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