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今シーズンも「ダブル・リゴレット」(2017.5.27〜6.27)☆パリ(バスティーユ)新演出「リゴレット」:ドッペルゲンガー・リゴレット(2016.4.9〜5.30) [オペラの話題]

◎ l’Opéra Bastilleでは、前シーズンに続いて今シーズンもクラウス・グート演出の「ダブル・リゴレット」やります。
今シーズンのキャスト:
・Daniele Rustioni, Claus Guth
 Vittorio Grigolo, Željko Lučić, Nadine Sierra, Kwangchul Youn ,Elena Maximova


 第二ブログに今シーズンの「リゴレット」追っかけ記事
パリ国立歌劇場 l’Opéra Bastille リゴレット(2017.5.27〜6.27 ー11公演)」があります。
(2017.5.27)

=  =  =  =  =  =  =  =  = 

以下2015-16シーズン
 
 パリ・オペラ座2015-16シーズンの「リゴレット」、ただ今上演中。クラウス・グートの新演出で、来シーズンも再演(2017.5.27〜6.27)されることになっていて、グリゴーロが出演予定です。なので、どんな演出か気になります。
 今シーズンの公爵は、あのマイケル・ファビアーノ、そう、このパリのリゴレットのオファーがなければ、新国で「ウェルテル」を歌っていたはずの......(ウェルテルって顔じゃないから....コルチャック君の方がよかったけどね)。

pari-Rigoletto2016.jpg
 クラウス・グートの新演出で、見た目はメトの「ラスヴェガス・リゴレット」みたいですが、なんかリゴレットが二人....ドッペルゲンガーってこと? Pascal Lifschという俳優が演じています。キャストを見て、吃驚、なんとマッダレーナがヴェッセリーナ・カサロヴァ(Vesselina Kasarova 1965.7.18 - )、ロールデビューなのかなぁ。舞台写真を見るとリゴレットが小さい段ボール箱を抱えているけど、舞台全体がその段ボールの中という設定なのかなぁ.....こういう演出って年取るとめんどくさい......

パリ・オペラ座 2016-17シーズン:
リゴレット:2017年5月27, 30日/ 6月2, 5, 9, 12, 15, 18, 21, 24, 27日 (11公演)2016.2.10発表
 Daniele Rustioni / Vittorio Grigolo, Željko Lučić, Nadine Sierra, Kwangchul Youn, Elena Maximova

メトのラスベガス・リゴレット(2013年4月)


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コメント 4

助六

23日の上演を見てきました。

最初にホームレスになったリゴレットが段ボール箱を抱えて出て来て、中に入っているのは血の付いたジルダの服とか彼の全財産である思い出の品。開いた段ボール箱がそのまま舞台装置となって、リゴレットはジルダとの人生の諸場面を回想し、手を伸ばして過去を変えたりしようとするけれど何もできないというのが基本的枠組み。
だから役者が演じてるリゴレットは狭い意味でのドッペルゲンガーというより単なる自己観察者・自己回想者といったとこでしょうかね。

最初のマントヴァ候の宮廷の場面は歴史的衣装で演じられますが、スパラフチーレに会う場面の第2場以降は最後まですべて現代的衣装で演じられます。
晩年のリゴレットが自分の実人生を回想し、実人生のリゴレットは歴史的衣装を着けて劇中人物としてのリゴレットを演じているといった2重3重の入れ子構造になってると考えることもできます。

広げた段ボール箱の舞台装置は大変機能的で、まず音響反射板の役割を果たして普段よりも歌手の声はガンガン聞こえてきました。
さらに照明で登場人物の影を映し出し、ヴィデオを投影するスクリーンにもなるといった具合。

私はグートのプロダクションを見るのはこれが3つ目で、最初はチューリッヒが06年にシャトレへの客演で持ってきたシューベルトの「フィエラブラス」(カウフマンの主役級パリ・デビューだった)、もう一つはスカラの12年シーズン・オープニングの「ローエングリン」でしたが、今回含めて私は彼の演出に本当に感心したことはありません。
どうも薄っぺらいレジ―テア―ターと言いますか、「フィエラブラス」は分かりやすく知的に抽象化された演出で、明快過ぎて逆にドラマは奥行きをそがれちゃう感じだったし、「ローエングリン」はやはりドッペルゲンガーのテーマを盛り込みローエングリンの非神話化・地上化を狙ってたけど、それは現代の独ヴァーグナー演出の常套手段だし、細部は(「フィエラブラス」とは逆に)混沌度が高くて読解不可能の印象を残されました。
要するにどちらも面白いアイデアはあるんだけどそれらが単発・尻切れトンボに終わり、全体的解釈は埋没気味。

今回のリゴレットもその印象は変わりません。
二重人物はそういう訳でグートのいつもの手口だし、ジルダにも子供のバレリーナが重ねられるし、少女の純真さを示すヴィデオも重ねられます。でもジルダの無邪気な成長拒否を示す以上にそのテーマが展開されるわけではない。
影の投影も造形的効果に留まってるし、他のヴィデオも刺客の刀とか、ジルダの腕をつかむリゴレットの手とか映し出して分かり切った筋をなぞる以上のものはない。
3幕の「女心の歌」にはキャバレーの踊り子が登場しますが、これも公爵の女漁り癖を示す以上の意味はない。
1幕ではリゴレットとスパラフチーレの相称性が示されたりするけど、そのテーマも尻切れトンボ。

全体枠の劇中劇の入れ子構造にしても、リゴレットが失敗した自分の人生をフィクションとして書き換えようとするけれども、そのフィクションは正にフィクションの形を取った現実によって拒否されるという意味では、道化であるリゴレットや我々の人生の悲しい運命を凝視していて「リゴレット」劇にふさわしい深みを引き出しうる設定だけれど、そのテーマが深められることはないままなんだなぁ。

要するに個々のアイデアが場当たり的に散りばめられるだけで発展していかないから、空間的余白を埋めてるだけという印象になってしまう。

でもグートはザルツのフィガロなんかは評判高いようだから、私が偶々いつも出来の悪い回に当たってるということかも知れませんが。

という訳で「ラスベガス風」なのは「女心の歌」の部分だけです。

音楽的には全体として高水準で楽しめました。

ぺレチャッコは結晶体のような透明な声で、コロラトゥーラ・レジェロのジルダとしては私が聞いた中ではまあデヴィアに次ぐ出来だと思います。特に「Caro nome」はトリルの技術がちょっと独特だけと正確で鈴みたいに響くフィオリートは見事なもの。
もう少しドラマティックな力が欲しいとこですが、今まで私が実際の舞台で聞けたジルダは皆軽い声ばかりで多少とも厚みがあったのはロストだけですから、仕方ないんでしょう。ネトレプコももう歌わないみたいですしね。
ヴェンデッタの二重唱最後の変ホ、3幕の嵐の三重唱最後のニ音も出してましたが、かなりギリギリやっとで特に後者は下がり気味でした。

ペレチャッコはシャンゼリゼ劇場の演奏会形式で11年に「カプレーティ」のジュリエッタ、12年に「清教徒」のエルヴィーラを歌ったんですが似たような印象。軽くきれいな声で技術もあるけれど、ベルカントでもう一つ抜き出るにはちょっと軽い。情感の点では今回のジルダでは随分進歩があったと思います。
彼女は来年新国でルチア歌うみたいですね。いいかも。

因みにシャンゼリゼの清教徒ではコルチャックがアルトゥーロ歌ってて、2人は14年暮れにもシャンゼリゼでベルカントのオケ伴ジョイント・リサイタルをやってました。
コルチャックのフランス物はオペラ・コミックで12年に「真珠とり」を聞いたことがありますが、悪くないですね。
レイラはヨンチェヴァが歌ってて、彼女のオペラでの事実上のパリ・デビューでした。

ファビアーノもしっかりした優れた歌唱でしたけど、音色、様式感、ニュアンス、表現力、ドラマの進行役としてのパワーどこを取ってもはっきりした欠点もないけれど、突き抜けたインパクトもまた何もないんですよね。
2幕のアリアのカバレッタは珍しく繰り返しも実行してましたが、最後のニ音は出してませんでした、別にそれで構いませんが。

リゴレットのケルシーはハワイ出身だそうですが、声の力も素晴らしいし様式感も情感もある立派なリゴレットでした。
ヌッチには及ばないにしてもガヴァネッリ、マエストリ、ルチッチ当たりよりは上でしょう。
初めて聞いたと思ってたんですが、後から12年ローマでのムーティ指揮シモン・ボッカネグラのパオロを聞いてたことに気付きました。恰幅のある声だった以上の記憶は残ってません。

スパラフチーレのシウェクも特に文句なし。

最後にマッダレーナのカサロヴァは悲しい。
2010年にシャンゼリゼにヴィーンのプロダクションだったヘンデルの「アルチーナ」が演奏会形式で来て、カサロヴァはハルテロスのアルチーナの隣でルッジェロを歌ってました。その時すでに音はぶら下がり上中低各声域が無残に分離してしまってて驚いたんですが、6年後の今となっては声は廃墟状態。まだ比較的若いんですけどね。
最後の四重唱・三重唱のバランスも崩れてしまうとあっては、論功賞で我慢するのも辛いとこ。
マッダレーナはキャリア末期のメッツォが迫力で聞かせることも時々あるけれど、今回は残念でした。

ルイゾッティの指揮は、しっかりした職人芸で骨太の音楽を鳴らして、一部はセラフィンを思い出させる恰幅だけど、時々ふっとルーティンに陥ることも。

ペレチャッコは容姿もあるし、ファビアーノもオールバックに眼鏡の偽学生スタイルで出てくると、二人はそれらしい若いカップルに見えます。
グリゴーロがやっても学生ナンパやキャバレーの踊り子にちゃっかいとかは、茶目っ気爆発でそれらしく演じるんではないでしょうか。

裏配役も行く予定ですが、ひと月近く先です。
by 助六 (2016-04-25 08:52) 

keyaki

助六さん
ありがとうございます。
こういうひねくれた演出は舞台写真だけで想像するのとはかなり違っていますね。楽しく拝見しました。

>「ラスベガス風」なのは「女心の歌」の部分だけです

「女心の歌」のところなんですか、これはメトと同じ場面じゃないと....「女心の歌」を説明してるんですか、変なの。
けっこう説明したがる演出家なんですね、大きなお世話ですけど。
学生だから眼鏡ですか.....
アイデアの寄せ集め、説明的、こういうのって、若い人向けなのかも、私は「もういいよ」ですけど。
娘を亡くしたリゴレットのその後は、私も気になっていましたが、ホームレスですか.....

>カサロヴァ

最近とんと名前を聞かなくなっていましたが、そういう状態なんですね。
新国には、ハンナ・シュヴァルツ(1943.8.15- )がよくきてくれます。息子(ペーター・ホフマンとの子供)同伴のことが多いようです。カサロヴァも今の状態にあった役を見つけられるといいですね。

>ペレチャッコ

どこかで見た名前だと思いましたが、来シーズンの「ルチア」なんですね。
新国の「ルチア」はマルセロ・アルバレスとかデヴィーアが出演して衣装とか舞台も豪華だったんですが、新制作になっちゃうんですね。

>ファビアーノ
>どこを取ってもはっきりした欠点もないけれど、突き抜けたインパクトもまた何もないんですよね。

こういう歌手が一般受けするようですね。レビューもいくつか見ましたが、「合格」みたいな書き方が多かったような気がします。
by keyaki (2016-04-25 10:06) 

助六

>「女心の歌」のところなんですか、これはメトと同じ場面じゃないと....

そうですね。
ひょっとしたら最近の上演例を調べて、「二番煎じ」とか言われるのを避けるために、わざと「あれかこれか」の場面からは外したのかも知れませんね。

「風の中の羽」と踊り子の羽飾りを掛けるギャグの要素もあるんだろうと思います。

シュヴァルツってもう70過ぎてるんでしょうけど、まだまだ大劇場で盛んに活躍してるみたいですね。

彼女は僕の学生時代にFM中継のバイロイト上演で常連だったし、舞台もガルニエで83年の「こうもり」のオルロフスキー(そう言えばこの「こうもり」も夜会場面でリドみたいなキャバレーのダンサーが登場した)や86年のライモンディ主演「ドン・キホーテ」のドゥルシネとか、演奏会でも80年代後半の「大地の歌」や90年代初めのツェムリンスキー歌曲など色々思い出があります。
ですから09年にシャンゼリゼ劇場の演奏会形式「三文オペラ」のシーリア役で久々にパリに現われたのには驚きました。
しかも声はまったくしっかりしていて、見た目も異様に若いのでもう一度ビックリ。ポリーがレッシュマン、ジェニーがキルヒシュラ―ガ―、メッキ―がボストリッジというスター・キャスティングでしたが、シュヴァルツはドギツイ表現力では完全に若い女声2人を喰ってしまってました。
リザネックも70歳で引退するまで声に衰えはなかったけれど、それさえ超えるドミンゴ、グルベローヴァ並みの化け物ですね。
僕は残念ながらついに一度も聞けませんでしたが、コッソットも70歳くらいまで現役だったようですね。日本にも行ってたようだけどどうだったのかな。

ホフマンと関係があったのは知りませんでした。同世代だしバイロイト等での同僚ですからまあ当然ですね。
by 助六 (2016-04-27 02:49) 

keyaki

助六さん
シュヴァルツは72才ですね。3月のイエヌーファも舞台に居るだけで目立ってました。オーラがあるって言うんでしょうね。ちょうどイエ ヌーファと同時期の公演だったのですが、サロメのヘロディアスの代役で急遽出演したとか.......サロメは何度も見ているし、生首がどうにも好きにな れないのでパスしたので、後日知りました。

>コッソット

2007年に来日して歌っているようですね。1935年4月22日 がお誕生日で、Raiでは、81才のお誕生日おめでとうのラジオ放送があったようです。

>ドミンゴ、グルベローヴァ

ドミンゴがテノールでならすごいですけど、バリトン役なんで、そうするとヌッチも化け物。
ソ プラノではグルベローヴァ1946年生まれ、デヴィーア1948年生まれ、二人ともノルマとドニゼッティ三部作をメインに歌っているといますが、偶然でしょうか。ネトレプ コがノルマを突然キャンセルして、ROHは、大慌てですが、「デヴィーアとかグルベローヴァに歌ってもらえば、ネトレプコよりいいんじゃない の.....」なんてコメントもありましたよ。

by keyaki (2016-04-29 11:08) 

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